東京都市町村職員退職手当組合
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平成30年度東京都予算編成(林務関係)に対する要望について

  東京都市町村林野振興対策協議会は、8月9日(水)に「平成30年度東京都予算編成(林務関係)に対する要望書」 を東京都に提出しました。要望内容は次のとおりです。

   
【自然環境部長へ要望書を提出】  【農林水産部長へ要望書を提出】

1 森林循環促進と林道整備の充実強化について

(1)「森づくり推進プラン」及び「森林・林業再生プラン」の推進

    東京都の「森づくり推進プラン」は、都民共有の貴重な財産である森林を守り、多面的機能を発揮させるために森林循環の促進が不可欠としている。そのため、多様で包括的な森林整備の推進、効率的な林業経営の実現、多摩産材の利用拡大、協働による森づくりなどを重点的な取組としている。

      市町村もその一翼を担い、連携を密にして森林循環の促進に効果を上げることに力を注いでいくが、施策の展開にあたっては十分な協議を行い、必要な財源措置を行うなど、信頼関係を損なわないように事業推進を図られたい。

      なお、森林の保健休養・文化機能に着目した東京都の「観光に資する森林資源整備事業」は、包括的な森林整備という観点から、平成29年度以降も是非とも事業継続を図られたい。

また、平成21年末に出された国の「森林・林業再生プラン」は、路網・作業システム整備、人材育成など実践面のみならず、森林計画制度等の制度面での改革を伴っており、森林経営計画の策定から実践的な事業の推進まで、林業事業体などにきめ細かい対応をする必要があるため、各種指導と財政支援を図られたい。

(2)林道改良・開設事業に係る都単補助制度の拡充

都単独補助事業の林道改良・開設事業は、市町村が管理している既設林道の拡幅や舗装、安全施設の設置、法面の保護などに効果的に使わせていただいている。しかし、市町村管理の林道は、地形が急峻なため崩落や鉄砲水等の土砂災害が起こりやすく、毎年、災害復旧工事の必要が生じるなど、維持管理に要する経費が大きな財政負担となっており、都単補助制度の一層の拡充を図られたい。

また、舗装面や法面、橋等の施設が経年劣化によって、単なる補修では対応の難しい箇所が増えており、安全・安心な林道の整備に向けて市町村が改修事業に積極的に取り組めるような制度を創設されたい。

(3)森林施業に係る長期受委託森林への間伐補助金の増額

森林法の規定により、森林所有者が東京都森林組合との間に森林経営のための長期受委託契約を締結しているが、計画どおり全ての長期受委託契約面積を間伐できるよう、森林再生事業との連携を図るとともにさらなる補助金の増額を図られたい。

2 治山、災害復旧等の森林保全対策の推進について

(1)治山事業・保安林整備事業の推進

地震、噴火、台風、豪雨、山崩れ、地すべり等、多様な自然現象による山地災害の被害を防止するためには、荒廃地・荒廃林の再生が不可欠である。森林の防災機能の向上については、市町村と調整の上、荒廃地・荒廃林の再生事業の促進を図られたい。

また、島しょにおける防風林等の保安林の整備は、安全な住民生活に欠くことのできないものであり、引き続き事業の積極的な推進が必要である。

さらに、病害虫の被害を受けた箇所への植林については、病気に強い樹種への転換が重要となるが、樹種転換には多額の費用を要することから助成制度の創設を図られたい。

(2)雪害等に対する財政措置の制度創設

   平成26年2月の未曾有の降雪は、倒木や幹折れ、林業関係施設の倒壊、シカ防止柵の損壊など西多摩地域に甚大な被害を発生させた。地球温暖化などによって、日本各地の降水量は今後増加が予想されており、台風や集中豪雨、大雪による森林被害の拡大も想定される。

      雪害等の災害発生後、森林や林業施設等が速やかに復旧できるように財政措置等の支援策を創設されたい。

(3)マツクイムシ等の防除の推進及び助成の充実

@ マツクイムシについては、国及び東京都の各種事業で防除が進められてきているが、その早期終息に向けて引き続き防除事業を推進されるとともに高度公益機能森林及び被害拡大防止森林の基準及び区域の見直しを図られたい。 

  また、マツクイムシの移動距離を勘案し、対象区域から外れている周辺松林等に対しても、広葉樹への計画的な樹種転換を推進するための補助制度を創設されたい。

A カシノナガキクイムシについては、適切な薬剤の注入が行われるなど防除に向けた事業化が図られ、その効果に期待をしているところである。三宅村、御蔵島村、八丈町のスダジイの被害は、現在、沈静化してはいるものの、全国的に見ると終息と思われたところで再発生が見られることから、その対応には万全を期されたい。また、枯れたスダジイの伐倒に対する補助制度を創設されたい。

    なお、三宅村におけるスダジイの樹勢調査は、火山ガスとの関連調査としての位置付もあり調査継続を強く要望する。

B 島しょ地域における椿林害虫(トビモンオオエダシャク、ハスオビエダシャク、茶毒蛾)の防除対策に対する指導と援助を願いたい。

  特に、現在、利島村で大量発生しているトビモンオオエダシャクの防除については、薬剤散布に対する技術的・財政的な支援を一層の図るとともに、大量発生の原因究明を行った上で、実効性のある対策が進むよう、取組を強化されたい。

(4)椿林保育・保全に対する財政支援

    大島町では、椿林が島内の森林面積の大半を占めているが、従事者の高齢化や人手不足などにより、椿林の手入れが十分には行われていない。

近年、椿油は、自然食・健康食の影響で人気が高まっている商品であるが、椿林の手入が思うように行われていないことから椿の実の収穫が減少し、供給もままならない状況にある。椿林の育成を促進し、椿油を増産するためには、古木の更新作業や下草刈り等を行わなければならない。

椿林の保育・保全に対する補助制度の創設を図られたい。 

3 地場産材の活用を図る施策の推進について

(1)伐採木を活用するための加工センターの整備

多摩産材の利用拡大は、東京都の「森づくり推進プラン」でも戦略の一つに掲げられ、新たな供給体制の構築が課題としている。

他県においては、県産材加工センター等を整備し地元の木材供給体制を整えたところも増加しているが、多摩産材の供給体制は製材所の機器類等の整備の立ち遅れなど、課題が多い。伐採木を製材し、製品化、販売するにあたり、経済的な競争力が培えるよう、指導・機器導入補助の一層の拡充と加工センター等の整備を図られたい。

(2)木質バイオマス資源の積極的な利活用への支援

木質バイオマスの活用は、二酸化炭素の排出量を削減する地球温暖化対策の重要な手段として位置付けられている。また、木質バイオマスの活用は、エネルギーの観点から、化石燃料(石油・石炭)の消費を減らすとともに、燃料費の削減にも繋がる可能性もある。さらに、地域の資源をその地域で利活用することは、雇用面等で地域活性化にも大きく寄与するものである。

    木質バイオマスを安定した燃料価格にするため、林地残材が搬出できる路網の整備及び搬出経費を低減する搬出路開設技術の指導を図られたい。また、木質バイオマス資源を地域内で循環させ、一層の活用が図られる継続的で安定的なシステムを構築できるよう、財政支援の検討を図られたい。

(3)地場産材の有効活用を図る施策の積極的な推進

@ 組織市町村にとって、森林産業は重要な地場産業である。市町村では、その振興のために地場産材活用対策事業を実施し、出荷事業者ならびに森林所有者へ地場産材活用対策奨励事業交付金を交付するなどしているが、財政状況が脆弱な市町村では、事業の拡充・拡大が困難となっている。

森林が、経済活動から生じる二酸化炭素の吸収や水を涵養し、東京都の経済的発展に寄与することから、当該事業に対し東京都としても応分の負担をするとともに、地場産業の有効活用を図る施策を積極的に進められたい。

また、平成28年度から「保育園・幼稚園等による木育推進事業」を実施しており、幼児の木育推進を期待するところであるが、この対象以外にも市町村は木育事業を行っており、これについても施設整備費を含めた補助制度の早期創設を願いたい。

さらに、多摩産材情報センターなどを活用して、木材の持つ調湿効果による湿度変動の減少、高い断熱効果及びインフルエンザ蔓延抑制など健康面への効果など、組織市町村と連携して木材の持つ良さを積極的に広報するよう図られたい。

            また、森林吸収源対策に係る地方財源の確保において、市町村が行う森林整備等における新たな仕組みのイメージに挙げられた寄附による公有林化を進めて適正な管理を行うにあたり、受け入れの基準として地籍調査費の財政支援を図られたい。

A 自伐林家や地域住民、ボランティア、NPO等多様な主体による里山林の保全利用活動への森林・山村多面的機能発揮対策交付金の活用に対して、都による財政支援を図られたい。

B 自伐林業による地域の活性化を図るために、住宅や作業地の紹介、提供など定住、移住しやすい環境の整備による人材育成に対する財政支援を図られたい。

4 有害鳥獣駆除対策等の実施について

(1)有害鳥獣の駆除費等の補助

サル、ニホンジカ、イノシシ等の有害鳥獣等による被害は依然として甚大である。わさびや馬鈴薯などの農産物、杉や檜等などの樹木が被害を受けており、その影響は住民の安全、安心な暮らしにとっても大きい。引続き有害鳥獣対策のための調査費及び駆除費の補助等、積極的な支援を図られたい。

また、農作物被害が集中している西部山間地域においては、高齢化が進んでおり電気柵の建設及び維持管理が非常に困難な状況となっているため、高齢化が進む地域でも電気柵の建設及び維持管理体制のための人件費等の補助費の拡大を図られたい。

(2)シカ等獣害対策の継続及び局間連携の強化

ニホンジカによる被害については、「東京都シカ保護管理計画」に基づくシカ対策により一定の効果は上がっているものの、生息数の顕著な減少は見られない。ニホンジカ・ニホンカモシカの食害は深刻であり、関係局の一層の連携による対策強化を図られた
い。

また、ニホンジカ等の被害は同時期に行政区域を越えて発生しており、引き続き行政区域を越えた広域的な対策を取るよう図られたい。

(3)ツキノワグマへの対応策の強化

     東京都では、ツキノワグマの保護のため一般狩猟での捕獲が平成20年度から 禁止となっている。貴重、希少となったツキノワグ    マを保護するため、生息頭数調査を毎年継続して実施し、調査結果に基づいた早急な保護管理計画の策定することが必要であ
    る。   

    奥多摩町では、平成26年に川苔山付近で人的被害が発生した。平成27年には奥多摩駅に近い保育園付近でも出没情報があ
   り、学校の教師やPTAが通学路での警戒や安全監視等の対応を行っている。また、昨年は人家へ侵入しようとした、大惨事にもな
   りかねない事件が2件発生するなど、地域の住民の日常生活に支障をきたしている。

    青梅市では昨年、出没が相次ぎ、3頭のツキノワグマが捕獲(捕殺)された。うち2頭は市街化区域に出没したもので、人的被害も危惧されたところであり、市職員及び猟友会が目撃現場の調査、追い払い、捕獲等に対応した。

    このように西多摩地域に今年になっても広く出没が確認されてきている。この状況が続くと、人的被害など重大事故にも繋がりか
ねない懸念があることから、ツキノワグマとの軋轢回避のための対策を講じる必要がある。

    そのため、人家周辺でツキノワグマが目撃されると、地元猟友会の協力により現場の調査・見回り・捕獲罠の設置や状況によっては捕獲等を行っている。
 

    このようなツキノワグマに対する安全確保に要する費用、捕獲罠の購入費用等の支援、有害鳥獣捕獲委託等としての支援といっ
た財政的支援及び許可頭数の見直し、狩猟の解禁についても検討願いたい。

(4)島しょ地域の獣害対策

島しょにおいては、ニホンジカ・サル・野ヤギ・リス・キョンによる被害が依然としてあるため、引き続き防除対策の推進を図られたい。

5 花粉症発生源対策の計画的な執行及び事業の改善について

(1)主伐事業での花粉発生源対策の拡充

多くの都民が苦しめられている花粉症の発生源対策については、主伐等でスギ伐採後に行う少花粉種の植栽、間伐、枝打ちと各種事業が行われ、その有効性も確認されているところである。しかし、未だ多くの都民が花粉症に苦しんでおり、発生源対策は今後とも一層の事業展開を図る必要がある。

東京都は、昨年度「スギ花粉発生源対策事業」を「森林循環促進事業」へと再構築を図り、主伐材搬出補助事業や低コスト林業技術の普及等と主伐事業による花粉発生源対策とを統合した。事業統合で、主伐後の少花粉種への植え替え等、スギ花粉発生源対策を不明瞭とすることなく、なお一層の推進を図られたい。

また、ヒノキ林も対象とした「森林循環促進事業」も含めて総合的で効果的な花粉症発生源対策の実施を図られたい。

(2)枝打ち事業の面積拡大及び人材の育成・確保

@ 「花粉症発生源対策(枝打ち)事業」は、平成28年度から「水の浸透を高める枝打ち事業」が実施されている。

しかし、「水の浸透を高める枝打ち事業」は森林再生事業実施面積の7割を事業対象としているが、本事業の効果を高めるためにも、森林再生事業実施の全面積を対象とされたい。

また、枝打ち事業は高い技術と経験を必要とする作業であることから、事業実施を担う労働力についても、育成・確保するための措置を講じられたい。

A スギとヒノキでは、枝の茂り方に大きな差が有り、作業量も大きく異なるため、現行のスギ、ヒノキの枝打ちの同一単価に対して、作業量の大きなヒノキに対する加算を願いたい。

(3)森林再生事業(間伐)の拡大

森林再生事業(間伐)は、私有林を対象とするものとなっているが、現状は私有林ばかりでなく市町村有林も手入れが届かないところが多く、荒廃している。

森林再生事業(間伐)の目的は「荒廃が進んでいる人工林を健全な森林に再生する」ことにあり、森林の持つ公益的機能を回復させるためには、所有形態に捉われず、市町村有林についても対象となるよう図られたい。

6 森林の維持、保全を目的とする財源の確保について

 森林の持つ多面的な公益的機能の持続に向けて、林業、森林、山村対策の抜本的な強化は欠かせない。しかし、市町村が主体
  的に取り組むための財源は現行の税制や補助制度では限界があり、新たな財源確保が必至となっている。

 平成29年度税制改正大綱において「市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、個人住民税均等
 割の枠組みの活用を含め都市・地方を通じて国民に等しく負担を求めることを基本とする森林環境税(仮称)の創設に向けて、地方
 公共団体の意見を踏まえながら、具体的な仕組み等について総合的に検討し、平成30年度税制改正において結論を得る。」との方
 針が示されたことから、市町村の森林・林業・山村対策の抜本的な強化を図るための「全国森林環境税」の早期導入が実現するよう
 関係各局並びに国に対し強く働きかけていただきたい。

また、地球規模での温室効果ガスの削減が求められる中、市町村が森林整備に力を注ぐことは、東京都のCO2の削減に多大な効果をもたらすことになります。森林の持つ多面的機能の一つである地球温暖化防止に着目し、森林環境を維持、保全している市町村に対して、財政的に還元する都制度の創設や補助の拡充を図られたい。



平成29年度東京都予算編成(林務関係)に対する要望について

  東京都市町村林野振興対策協議会は、8月5日(金)に「平成29年度東京都予算編成(林務関係)に対する要望書」 を東京都に提出しました。要望内容は次のとおりです。

1 森林循環促進と林道整備の充実強化について

(1)「森づくり推進プラン」及び「森林・林業再生プラン」の推進

   東京都の「森づくり推進プラン」は、都民共有の貴重な財産である森林を守り、多面的機能を発揮させるために森林循環の促進が不可欠としている。そのため、多様で包括的な森林整備の推進、効率的な林業経営の実現、多摩産材の利用拡大、協働による森づくりなどを重点的な取組としている。

     市町村もその一翼を担い、連携を密にして森林循環の促進に効果を上げることに力を注いでいくが、施策の展開にあたっては十分な協議を行い、必要な財源措置を行うなど、信頼関係を損なわないように事業推進を図られたい。

     なお、森林の保健休養・文化機能に着目した東京都の「観光に資する森林資源整備事業」は、包括的な森林整備という観点から、平成29年度以降も是非とも事業継続を図られたい。

また、平成21年末に出された国の「森林・林業再生プラン」は、路網・作業システム整備、人材育成など実践面のみならず、森林計画制度等の制度面での改革を伴っており、森林経営計画の策定から実践的な事業の推進まで、林業事業体などにきめ細かい対応をする必要があるため、各種指導と財政支援を図られたい。

(2)林道改良・開設事業に係る都単補助制度の拡充

都単独補助事業の林道改良・開設事業は、市町村が管理している既設林道の拡幅や舗装、安全施設の設置、法面の保護などに効果的に使わせていただいている。しかし、市町村管理の林道は、地形が急峻なため崩落や鉄砲水等の土砂災害が起こりやすく、毎年、災害復旧工事の必要が生じるなど、維持管理に要する経費が大きな財政負担となっており、都単補助制度の一層の拡充を図られたい。

また、舗装面や法面、橋等の施設が経年劣化によって、単なる補修では対応の難しい箇所が増えており、安全・安心な林道の整備に向けて市町村が改修事業に積極的に取り組めるような制度を創設されたい。

(3)森林施業に係る長期受委託森林への間伐補助金の増額

森林法の規定により、森林所有者が東京都森林組合との間に森林経営のための長期受委託契約を締結しているが、計画どおり全ての長期受委託契約面積を間伐できるよう、森林再生事業との連携を図るとともにさらなる補助金の増額を図られたい。

2 治山、災害復旧等の森林保全対策の推進について

(1)治山事業・保安林整備事業の推進

地震、噴火、台風、豪雨、山崩れ、地すべり等、多様な自然現象による山地災害の被害を防止するためには、荒廃地・荒廃林の再生が不可欠である。森林の防災機能の向上については、市町村と調整の上、荒廃地・荒廃林の再生事業の促進を図られたい。

また、島しょにおける防風林等の保安林の整備は、安全な住民生活に欠くことのできないものであり、引き続き事業の積極的な推進が必要である。

さらに、病害虫の被害を受けた箇所への植林については、病気に強い樹種への転換が重要となるが、樹種転換には多額の費用を要することから助成制度の創設を図られたい。

(2)雪害等に対する財政措置の制度創設

   平成26年2月の未曾有の降雪は、倒木や幹折れ、林業関係施設の倒壊、シカ防止柵の損壊など西多摩地域に甚大な被害を発生させた。地球温暖化などによって、日本各地の降水量は今後増加が予想されており、台風や集中豪雨、大雪による森林被害の拡大も想定される。

     雪害等の災害発生後、森林や林業施設等が速やかに復旧できるように財政措置等の支援策を創設されたい。

(3)マツクイムシ等の防除の推進及び助成の充実

@ マツクイムシについては、国及び東京都の各種事業で防除が進められてきているが、その早期終息に向けて引き続き防除事業を推進されたい。

また、マツクイムシの移動距離を勘案し、対象区域から外れている周辺松林等に対しても、広葉樹への計画的な樹種転換を推進するための補助制度を創設されたい。

A カシノナガキクイムシについては、適切な薬剤の注入が行われるなど防除に向けた事業化が図られ、その効果に期待をしているところである。三宅村、御蔵島村、八丈町のスダジイの被害は、現在、沈静化してはいるものの、全国的に見ると終息と思われたところで再発生が見られることから、その対応には万全を期されたい。また、枯れたスダジイの伐倒に対する補助制度を創設されたい。

   なお、三宅村におけるスダジイの樹勢調査は、火山ガスとの関連調査としての位置付もあり調査継続を強く要望する。

 B 島しょ地域における椿林害虫(トビモンオオエダシャク、ハスオビエダシャク、茶毒蛾)の防除対策に対する指導と援助を願いたい。

  特に、現在、利島村で大量発生しているトビモンオオエダシャクの防除については、薬剤散布に対する技術的・財政的な支援を一層の図るとともに、大量発生の原因究明を行った上で、実効性のある対策が進むよう、取組を強化されたい。

(4)椿林保育・保全に対する財政支援

   大島町では、椿林が島内の森林面積の大半を占めているが、従事者の高齢化や人手不足などにより、椿林の手入れが十分には行われていない。

近年、椿油は、自然食・健康食の影響で人気が高まっている商品であるが、椿林の手入が思うように行われていないことから椿の実の収穫が減少し、供給もままならない状況にある。椿林の育成を促進し、椿油を増産するためには、古木の更新作業や下草刈り等を行わなければならない。

椿林の保育・保全に対する補助制度の創設を図られたい。

3 地場産材の活用を図る施策の推進について

(1)伐採木を活用するための加工センターの整備

多摩産材の利用拡大は、東京都の「森づくり推進プラン」でも戦略の一つに掲げられ、新たな供給体制の構築が課題としている。

他県においては、県産材加工センター等を整備し地元の木材供給体制を整えたところも増加しているが、多摩産材の供給体制は製材所の機器類等の整備の立ち遅れなど、課題が多い。伐採木を製材し、製品化、販売するにあたり、経済的な競争力が培えるよう、指導・機器導入補助の一層の拡充と加工センター等の整備を図られたい。

(2)木質バイオマス資源の積極的な利活用への支援

木質バイオマスの活用は、二酸化炭素の排出量を削減する地球温暖化対策の重要な手段として位置付けられている。また、木質バイオマスの活用は、エネルギーの観点から、化石燃料(石油・石炭)の消費を減らすとともに、燃料費の削減にも繋がる可能性もある。さらに、地域の資源をその地域で利活用することは、雇用面等で地域活性化にも大きく寄与するものである。

   木質バイオマスを安定した燃料価格にするため、林地残材が搬出できる路網の整備及び搬出経費を低減する搬出路開設技術の指導を図られたい。また、木質バイオマス資源を地域内で循環させ、一層の活用が図られる継続的で安定的なシステムを構築できるよう、財政支援の検討を図られたい。

(3)地場産材の有効活用を図る施策の積極的な推進

構成市町村にとって、森林産業は重要な地場産業である。市町村では、その振興のために地場産材活用対策事業を実施し、出荷事業者ならびに森林所有者へ地場産材活用対策奨励事業交付金を交付するなどしているが、財政状況が脆弱な市町村では、事業の拡充・拡大が困難となっている。

森林が、経済活動から生じる二酸化炭素の吸収や水を涵養し、東京都の経済的発展に寄与することから、当該事業に対し東京都としても応分の負担をするとともに、地場産業の有効活用を図る施策を積極的に進められたい。

また、平成27年度で終了した「木とのふれあい推進事業」の後継事業として、平成28年度から「保育園・幼稚園等による木育推進事業」が実施されることとなり、幼児の木育推進に期待するところであるが、この対象以外にも市町村は木育事業を行っており、これについても補助制度の創設を願いたい。

さらに、多摩産材情報センターなどを活用して、木材の持つ調湿効果による湿度変動の減少、高い断熱効果及びインフルエンザ蔓延抑制など健康面への効果など、構成市町村と連携して木材の持つ良さを積極的に広報するよう図られたい。

4 有害鳥獣駆除対策等の実施について

(1)有害鳥獣の駆除費等の補助

サル、ニホンジカ、イノシシ等の有害鳥獣等による被害は依然として甚大である。わさびや馬鈴薯などの農産物、杉や檜等などの樹木が被害を受けており、その影響は住民の安全、安心な暮らしにとっても大きい。引き続き有害鳥獣対策のための調査費及び駆除費の補助等、積極的な支援を図られたい。

(2)シカ等獣害対策の継続及び局間連携の強化

ニホンジカによる被害については、「東京都シカ保護管理計画」に基づくシカ対策により一定の効果は上がっているものの、生息数の顕著な減少は見られない。ニホンジカ・ニホンカモシカの食害は深刻であり、関係局の一層の連携による対策強化を図られた
い。

また、ニホンジカ等の被害は同時期に行政区域を越えて発生しており、引き続き行政区域を越えた広域的な対策を取るよう図られたい。

(3)ツキノワグマへの対応策の強化

   東京都では、ツキノワグマの保護のため一般狩猟での捕獲が平成20年度から禁止となっている。貴重、希少となったツキノワグマを保護するため、生息頭数調査を毎年継続して実施し、調査結果に基づいた早急な保護管理計画の策定することが必要である。


 しかし、一昨年はツキノワグマによる山での人身被害が発生し、また昨年は奥多摩駅に近い保育園付近でも出没情報があるなど、地域の住民の日常生活に支障をきたすほどの状況になってきている。この状況が続くと、人的被害など重大事故にも繋がりかねない懸念があることから、ツキノワグマとの軋轢回避のための対策を講じる必要がある。

    
目撃情報等があった場合、地元猟友会に依頼して現地の調査、見回り、捕獲罠の設置や場合によっては捕獲を行っているが、これら軋轢回避のための費用や捕獲罠の購入費用等の支援、許可頭数の見直しについても検討を願いたい。

(4)島しょ地域の獣害対策

島しょにおいては、ニホンジカ・サル・野ヤギ・リス・キョンによる被害が依然としてあるため、引き続き防除対策の推進を図られたい。


5 花粉症発生源対策の計画的な執行及び事業の改善について

(1)主伐事業での花粉発生源対策の拡充

多くの都民が苦しめられている花粉症の発生源対策については、主伐等でスギ伐採後に行う少花粉種の植栽、間伐、枝打ちと各種事業が行われ、その有効性も確認されているところである。しかし、未だ多くの都民が花粉症に苦しんでおり、発生源対策は今後とも一層の事業展開を図る必要がある。

東京都は、昨年度「スギ花粉発生源対策事業」を「森林循環促進事業」へと再構築を図り、主伐材搬出補助事業や低コスト林業技術の普及等と主伐事業による花粉発生源対策とを統合した。事業統合で、主伐後の少花粉種への植え替え等、スギ花粉発生源対策を不明瞭とすることなく、なお一層の推進を図られたい。

また、ヒノキ林も対象とした「森林循環促進事業」も含めて総合的で効果的な花粉症発生源対策の実施を図られたい。

(2)枝打ち事業の面積拡大及び人材の育成・確保

平成27年度で終了した「花粉症発生源対策(枝打ち)事業」の後継事業として、平成28年度から「水の浸透を高める枝打ち事業」が実施されることとなった。

しかし、「水の浸透を高める枝打ち事業」は森林再生事業実施面積の7割を事業対象としているが、本事業の効果を高めるためにも、森林再生事業実施の全面積を対象とされたい。

また、枝打ち事業は高い技術と経験を必要とする作業であることから、事業実施を担う労働力についても、育成・確保するための措置を講じられたい。

(3)森林再生事業(間伐)の拡大

森林再生事業(間伐)は、私有林を対象とするものとなっているが、現状は私有林ばかりでなく市町村有林も手入れが届かないところが多く、荒廃している。

森林再生事業(間伐)の目的は「荒廃が進んでいる人工林を健全な森林に再生する」ことにあり、森林の持つ公益的機能を回復させるためには、所有形態に捉われず、市町村有林についても対象となるよう図られたい。 

6 森林の保育、保全を目的とする財源の確保について

森林の持つ多面的な公益的機能の持続に向けて、林業、森林、山村対策の抜本的な強化は欠かせない。しかし、そのための財源は現行の税制や補助制度では限界があり、新たな財源確保が必至となっている。

昨年の与党税制改正大綱に「全国森林環境税(仮称)」等の新たな仕組みを検討することが明記された。しかし、時期については適切に判断するとして、実施時期など不明なところも多く残されている。一刻も早い税の内容検討、実施を実現するよう関係各局ならびに国に対し強く働きかけられたい。

   また、地球規模での温室効果ガスの削減が求められる中、市町村が森林整備に力を注ぐことは、東京都の二酸化炭素の削減に多
  大な効果をもたらす。森林の持つ多面的機能の一つである地球温暖化防止に着目し、森林環境を守り造っていく市町村に対して、財
  政的な還元をする都制度の創設や補助の拡充を図られたい。


平成28年度東京都予算編成(林務関係)に対する要望について

  東京都市町村林野振興対策協議会は、8月3日(月)に「平成28年度東京都予算編成(林務関係)に対する要望書」 を東京都に提出しました。要望内容は次のとおりです。

1 森林循環促進と林道整備の充実強化について

(1)「森づくり推進プラン」及び「森林・林業再生プラン」の推進

   東京都の「森づくり推進プラン」は、都民共有の貴重な財産である森林を守り、多面的機能を発揮させるために森林循環の促進が不可欠としている。そのため、多様で包括的な森林整備の推進、効率的な林業経営の実現、多摩産材の利用拡大、協働による森づくりなどを重点的な取組としている。

   市町村もその一翼を担い、連携を密にして森林循環の促進に効果を上げることに力を注いでいくが、施策の展開にあたっては十分な協議を行い、必要な財源措置を行うなど、信頼関係を損なわないように事業推進を図られたい。

なお、森林の保健休養・文化機能に着目した東京都の「観光に資する森林資源整備事業」が平成27年度で事業終了予定となっているが、包括的な森林整備という観点から、平成28年度以降も是非とも事業継続を図られたい。

また、平成21年末に出された国の「森林・林業再生プラン」は、路網・作業システム整備、人材育成など実践面のみならず、森林計画制度等の制度面での改革を伴っており、森林経営計画の策定から実践的な事業の推進まで、林業事業体などにきめ細かい対応をする必要があるため、各種指導と財政支援を図られたい。

(2)林道改良・開設事業に係る都単補助制度の拡充

都単独補助事業の林道改良・開設事業は、市町村が管理している既設林道の拡幅や舗装、安全施設の設置、法面の保護などに効果的に使わせていただいている。しかし、市町村管理の林道は、地形が急峻なため崩落や鉄砲水等の土砂災害が起こりやすく、毎年、災害復旧工事の必要が生じるなど、維持管理に要する経費が大きな財政負担となっており、都単補助制度の一層の拡充を図られたい。

また、舗装面や法面、橋等の施設が経年劣化によって、単なる補修では対応が難しい箇所が増えており、安全・安心な林道の整備に向けて市町村が改修事業に積極的に取り組めるような制度を創設されたい。

(3)森林施業に係る長期受委託森林への間伐補助金の増額

森林法の規定により、森林所有者が東京都森林組合との間に森林経営のための長期受委託契約を締結しているが、計画どおり全ての長期受委託契約面積を間伐できるよう、森林再生事業との連携を図るとともにさらなる補助金の増額を図られたい。

 

2 治山、災害復旧等の森林保全対策の推進について

(1)治山事業・保安林整備事業の推進

地震、噴火、台風、豪雨、山崩れ、地すべり等、多様な自然現象による山地災害の被害を防止するためには、荒廃地・荒廃林の再生が不可欠である。森林の防災機能の向上については、市町村と調整の上、荒廃地・荒廃林の再生事業の促進を図られたい。

また、島しょにおける防風林等の保安林の整備は、安全な住民生活に欠くことのできないものであり、引き続き事業の積極的な推進が必要である。

さらに、病害虫の被害を受けた箇所への植林については、病気に強い樹種への転換が重要となるが、樹種転換には多額の費用を要することから助成制度の創設を図られたい。

(2)雪害等に対する財政措置の制度創設

   平成26年2月の未曾有の降雪は、倒木や幹折れ、林業関係施設の倒壊、シカ防止柵の損壊など西多摩地域に甚大な被害を発生させた。地球温暖化などによって、日本各地の降水量は今後増加が予想されており、台風や集中豪雨、大雪による森林被害の拡大も想定される。

     雪害等の災害発生後、森林や林業施設等が速やかに復旧できるように財政措置等の対応策を早期に創設されたい。

(3)マツクイムシ等の防除の推進及び助成の充実

@ マツクイムシについては、国及び東京都の各種事業で防除が進められてきているが、その早期終息に向けて引き続き抜本的な防除事業を推進されたい。

また、カシノナガキクイムシによるナラ・カシ類が集団枯損を起こす「ナラ枯れ」が、全国の幅広い区域で発生している。

平成22年には三宅村、御蔵島村、八丈町でカシノナガキクイムシによるスダジイの集団枯損が発生し、現在、沈静化しているものの、全国的に見ると終息と思われたところで再発生が見られることから、その対応には万全を期すべきである。

枯れたスダジイの伐倒に対する補助制度を創設するとともに、その原因の究明と今後の防除対策を考えるうえで、以下の調査及び防除対策の確立を図られたい。

ア 被害林の経過観察調査とカシノナガキクイムシの実態調査(航空写真による繁殖状況調査、被害木毎木調査、トラップ調査、全木穿入孔数調査等)

イ スダジイの樹勢調査(樹木調査、気候との関連調査、三宅島における火山ガスとの関連調査等)

ウ 必要な地域への予防薬剤の散布 

A 島しょ地域における椿林害虫(トビモンオオエダシャク、ハスオビエダシャク、茶毒蛾)の防除対策に対する指導と援助を願いたい。

  特に、現在、利島村で大量発生しているトビモンオオエダシャクの防除については、薬剤散布に対する技術的・財政的な支援を一層の図るとともに、大量発生の原因究明を行った上で、実効性のある対策が進むよう、取組を強化されたい。

(4)椿林保育・保全に対する財政支援

   大島町では、椿林が島内の森林面積の大半を占めているが、従事者の高齢化や人手不足などにより、椿林の手入れが十分には行われていない。

近年、椿油は、自然食・健康食の影響で人気が高まっている商品であるが、椿林の手入が思うように行われていないことから椿の実の収穫が減少し、供給もままならない状況にある。椿林の育成を促進し、椿油を増産するためには、古木の更新作業や下草刈り等を行わなければならない。

椿林の保育・保全に対する補助制度の創設を図られたい。

 

3 地場産材の活用を図る施策の推進について

(1)伐採木を活用するための加工センターの整備

多摩産材の利用拡大は、東京都の「森づくり推進プラン」でも戦略の一つに掲げられ、新たな供給体制の構築が課題としている。

他県においては、県産材加工センター等を整備し地元の木材供給体制を整えたところも増加しているが、多摩産材の供給体制は製材所の機器類等の整備の立ち遅れなど、課題が多い。伐採木を製材し、製品化、販売するにあたり、経済的な競争力が培えるよう、指導・機器導入補助の一層の拡充と加工センター等の整備を図られたい。

(2)木質バイオマス資源の積極的な利活用への支援

木質バイオマスの活用は、二酸化炭素の排出量を削減する地球温暖化対策の重要な手段として位置付けられている。また、木質バイオマスの活用は、エネルギーの観点から、化石燃料(石油・石炭)の消費を減らすとともに、燃料費の削減にも繋がる可能性もある。さらに、地域の資源をその地域で利活用することは、雇用面等で地域活性化にも大きく寄与するものである。

   木質バイオマスを安定した燃料価格にするため、林地残材が搬出できる路網の整備及び搬出経費を低減する搬出路開設技術の指導を図られたい。また、木質バイオマス資源を地域内で循環させ、一層の活用が図られる継続的で安定的なシステムを構築できるよう、財政支援の検討を図られたい。

(3)地場産材の有効活用を図る施策の積極的な推進

組合構成市町村にとって、森林産業は重要な地場産業である。市町村では、その振興のために地場産材活用対策事業を実施し、出荷事業者ならびに森林所有者へ地場産材活用対策奨励事業交付金を交付するなどしているが、財政状況が脆弱な市町村では、事業の拡充・拡大が困難となっている。

森林が、経済活動から生じる二酸化炭素の吸収や水を涵養し、東京都の経済的発展に寄与することから、当該事業に対し東京都としても応分の負担をするとともに、地場産業の有効活用を図る施策を積極的に進められたい。

また、多摩産材の利用拡大事業のうち、民間保育園等の内装木質化や遊具の整備に対して行われてきた補助事業、「木とのふれあい推進事業」が平成27年度で事業終了予定となっているが、幼児期の木とのふれあいがその後の木への愛着を育むことも考え併せ、是非とも事業期間の延長を願いたい。

さらに、多摩産材情報センターなどを活用して、木材の持つ調湿効果による湿度変動の減少、高い断熱効果及びインフルエンザ蔓延抑制など健康面への効果など、構成市町村と連携して木材の持つ良さを積極的に広報するよう図られたい。

 

4 有害鳥獣駆除対策等の実施について

(1)有害鳥獣の駆除費等の補助

サル、ニホンジカ、イノシシ等の有害鳥獣等による、被害は依然として甚大である。わさびや馬鈴薯などの農産物、杉や檜等などの樹木が被害を受けており、その影響は住民の安全、安心な暮らしにとっても大きい。引き続き有害鳥獣対策のための調査費及び駆除費の補助等、積極的な支援を図られたい。

(2)シカ等獣害対策の継続及び局間連携の強化

ニホンジカによる被害については、「東京都シカ保護管理計画」に基づくシカ対策により一定の効果は上がっているものの、生息数の顕著な減少は見られない。ニホンジカ・ニホンカモシカの食害は深刻であり、関係局の一層の連携による対策強化を図られたい。

また、ニホンジカ等の被害は同時期に行政区域を越えて発生しており、引き続き行政区域を越えた広域的な対策を取るよう図られたい。

(3)ツキノワグマへの対応策の強化

   東京都では、ツキノワグマの保護のため一般狩猟での捕獲が平成20年度から禁止となっている。貴重、希少となったツキノワグマを保護するため、生息頭数を継続調査するとともに、調査結果に基づいた早急な保護管理計画の策定が必要となる。

   しかし、昨年はツキノワグマによる山での人身被害が発生し、また奥多摩駅周辺での出没情報があり、地域の住民の日常生活に支障をきたすほどの状況になってきている。目撃情報等があった場合、地元猟友会に依頼して現地の調査、見回り、捕獲罠の設置等を実施し、場合によっては捕獲等を行っている。

この状況から、今後、人的被害など重大事故にも繋がりかねない懸念があることから、ツキノワグマとの軋轢回避のための対策を講じる必要があり、捕獲罠や回避のための経費について支援を願いたい。   

(4)島しょ地域の獣害対策

島しょにおいては、ニホンジカ・サル・野ヤギ・リス・キョンによる被害が依然としてあるため、引き続き防除対策の推進を図られたい。

 

5 花粉症発生源対策の計画的な執行及び事業の改善について

(1)主伐事業での花粉発生源対策の拡充

多くの都民が苦しめられている花粉症の発生源対策については、主伐等でスギ伐採後に行う少花粉種の植栽、間伐、枝打ちと各種事業が行われ、その有効性も確認されているところである。しかし、未だ多くの都民が花粉症に苦しんでおり、発生源対策は今後とも一層の事業展開を図る必要がある。

東京都は、従前の「スギ花粉発生源対策事業」を平成27年度から「森林循環促進事業」へと再構築を図り、主伐材搬出補助事業や低コスト林業技術の普及等と主伐事業による花粉発生源対策とを統合した。事業の再構築があったとしても、主伐後の少花粉種への植え替え等、スギ花粉発生源対策を一層推進されたい。

また、「森林循環促進事業」では、新規にヒノキ林もその対象としており、この事業も含めて総合的で効果的な花粉症発生源対策の実施を図られたい。

(2)枝打ち事業の期間延長と面積拡大及び人材の育成・確保

「花粉症発生源対策(枝打ち)事業」は、発生源対策の柱の1つであるが、この事業は、平成27年度で事業終了予定となっている。花粉症発生源対策の現状から、枝打ち事業の継続と拡充を図られたい。

また、枝打ち事業は、森林再生実施面積の3割を事業の対象としているが、本事業をより効果的に行うため対象面積の拡大を図るとともに、高い技術と経験を必要とする作業であることから事業実施を担う労働力についても、育成・確保するための措置を講じられたい。

なお、花粉症発生源対策(枝打ち)事業と森林再生事業(間伐)との同時期、同所実施など、事業の円滑化を考慮した執行を図られたい。

(3)森林再生事業(間伐)の拡大

森林再生事業(間伐)は、私有林を対象とするものとなっているが、現状は私有林ばかりでなく市町村有林も手入れが届かないところが多く、荒廃している。

森林再生事業(間伐)の目的は「荒廃が進んでいる人工林を健全な森林に再生する」ことにあり、森林の持つ公益的機能を回復させるためには、所有形態に捉われず、市町村有林についても対象となるよう図られたい。

 

6 森林の保育、保全を目的とする財源の確保について

森林の持つ多面的な公益的機能の持続に向けて、林業、森林、山村対策の抜本的な強化は欠かせない。しかし、そのための財源は現行の税制や補助制度では限界があり、全国森林環境税など、森林の公益性に視点を置いた財源確保について関係各局ならびに国に対し税の創設を強く働きかけられたい。

また、地球規模での温室効果ガスの削減が求められる中、市町村が森林整備に力を注ぐことは、東京都の二酸化炭素の削減に多大な効果をもたらす。森林の持つ多面的機能の一つである地球温暖化防止に着目し、森林環境を守り造っていく市町村に対して、財政的な還元をする都制度の創設や補助の拡充を図られたい。

 

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